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調停前措置命令の申立方法と取引履歴の開示

1 調停前措置命令の申立方法
(1)申立書・添付書面
特定調停申立てと調停前の措置申立ては同時に申立てをすることになる。次頁に、調停前の措置命令申立書を掲載する。

(2)関係当事者への審尋
調停委員会は、調停前の措置命令発令の必要性を判断するために申立人の審尋を行う。相手方については簡易裁判所の判断で行うこともできるが、実施することはごく稀である。

(3)不服申立て
調停前の措置命令に対して、相手方その他の事件の関係人は不服申立てをすることができない。一方、調停前の措置の申立てを却下した処分に対して、申立人は不服申立てができない。

(4)過料による制裁
調停前の措置命令が発令された際、相手方が正当な理由なく調停前の措置に従わない場合には、金一〇万円以下の過料に処することができる(民調三五条)。

2 取引履歴の開示
(1)注意点
特定調停手続きは、主に調停委員が相手方との交渉や調停成立案の提示をするが、申立人は調停で提出された取引履歴の内容や利息制限法に基づく再計算結果を確認することが必要である。

(2)利息制限法による再計算
すでに説明したとおり、相手方の提出した約定の残債務は、通常利息制限法以上の利息契約によるものであり、利息制限法の制限利率(一〇万円未満・年利二〇%、一〇万円以上一〇〇万円未満・年利一八%、一〇〇万円以上・年利一五%)に基づいて債権残高を再計算する。利息制限法の制限利率を超えた利息は無効であるため、正しい債権額を確認するために無効の利息を元金に算入して利息制限法に基づく再計算をする必要があるからである。

(3)裁判所、調停委員の権限
特定調停の申立てがあった場合、特定調停法においては、裁判所や調停委員に事件に関係する書類の提出を求める権限が認められているため、実務では裁判所書記官・調停委員から直接業者に対して、取引履歴の開示を求めることになる。