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システム金融と非人間的な暴力的・脅迫的取立ての横行

システム金融は、中小零細事業者を対象とするヤミ金融業者で、手形や小切手を担保に取って出資法違反の超高金利で貸し付ける。システム金融は、中小零細事業者に手形や小切手を送らせるときは、郵便局の局留めで送らせて自らの住所を把握されないようにしている。中小零細事業者は手形や小切手が不渡りになると会社が倒産してしまうので、担保に取られた手形や小切手を決済するためにまたほかのシステム金融に手を出すことになるのである。システム金融業者に手を出した中小零細事業者に対して、次々と貸し付けるシステム金融業者はいずれも同一グループに属するシステム金融業者である。システム金融は、中小零細事業者の中でも特に日栄(現ロプロ)や商工ファンド(現SFCG)などの商工ローンから債務を抱えている中小零細事業者をターケットとしている。

システム金融は、摘発を逃れるため電話番号や住所を頻繁に変更している。また、ほとんどのシステム金融は無登録で営業を行っている。前述した全国ヤミ金融対策会議の「全国一斉ヤミ金融一一〇番」の集計結果によると、システム金融の占める割合は一%であった。ヤミ金融は犯罪者集団なので、法的手続をとって債権回収をするようなことはせず、もっぱら暴力的・脅迫的取立てを債権回収の主たる手段としている。大体ヤミ金融の事務所では、マンションの一室に電話を一〇台くらい並べて、朝から晩まで払わなければ「殺す」「家に火をつける」「子どもをさらう」などと脅迫的電話をかけて債権回収を行っている。

ヤミ金融の取立ては、借主本人だけでなく、借主の家族・親族・近隣住民・勤務先・子どもの通う小、中学校などに及んでいる。勤務先の会社に対しヤミ金融の取立てが行われると、犯罪者集団であるヤミ金融と闘うのではなく、働いている労働者を解雇するという会社が多いのが現状である。また、借主の家族や親族・近隣住民に対しヤミ金融の取立てが行われると、借主は、家族や親族・近隣住民から苦情を言われることになる。ヤミ金融の被害者は、ヤミ金融業者からだけでなく会社からも親族からも近隣住民からも、「あんたのためにこんなひどい目に遭った」「何とかしてくれ」と苦情を言われるため、責任を感じるとともに孤立してしまい、徐々に精神的に追い込まれていくことになる。